PROJECT
延岡駅まちプロジェクト
「デザイン監修者」の決定
宮崎県延岡市では、JR延岡駅舎や駅前広場、陸橋連絡路、複合施設などが一体となった形で再整備を行い、その周辺商店街地区とも連携を図りながら、民間との協働によって、持続的なにぎわいのある空間の再生を目指しています。このプロジェクトでは、JR(駅舎)、陸橋連絡路(市)、駅前広場(県)、複合施設(民間)など異なる事業主体が再整備を行うため、一貫した視点で空間デザインの指針をとりまとめ、各事業主体や市民からの意見を調整して方向性を示していく存在が必要となります。その役割を担う「デザイン監修者」を公開プロポーザル方式により決定。5名の指名者から、建築家の乾久美子さんが選ばれました。2011年2月に実施された公開プレゼンテーションには約200名の市民が足を運び、これから市民と一緒に駅前空間のあり方を考えるパートナーの決定を見届けようと非常に熱気あふれる会場となりました。
市民活動を展開する取り組み「ノベオカノマド」
駅前空間に必要なモノやコトについて、市民自らが検討してデザイン面に反映していくため、地元建築士会や市民団体、地元大学等、延岡の皆さんとワークショップを実施。関係機関との協議を経て、2012 年には「延岡駅周辺整備基本計画」が取りまとめられました。そして、駅前商店街の協力のもと、市民活動を展開する取り組み「ノベオカノマド」が始まっています。「ノベオカノマド」とは、市民活動や個人の特技・趣味を披露して、道行く人に楽しんでもらう試みです。この愛称には、「延岡の窓口としての駅前空間に賑わいが生まれる」、「延岡のあちこちでノマド(遊牧民)的に賑わいが生まれる」、という2つの願いが込められています。
官民連携の新たな公共空間づくり
延岡駅周辺整備の中でも、まちなかのにぎわいの起点としての役割が重要となる複合施設。2014年は、複合施設の管理運営について、「市民活動」「読書空間」「カフェ」「観光物産」「情報発信」などの機能を兼ね備えた新たな公共空間づくりを目指すため、民間事業者から企画提案を求めるプロポーザルを公開。デザイン監修者の乾久美子氏とともに、関係機関との協議を行いながら、複合施設の機能、管理運営方法などを検討し、施設設計が進められています。そして、商店街の空き店舗を利用したまちなかの拠点づくりの取り組みも同時に進められています。いよいよ駅前整備の工事もスタートし、新たな公共空間づくりと、それを活用する市民活動の取り組みが具体的に展開されていきます。
DATA
発注者
延岡市
担当者
醍醐、井上、村岡、林