PROJECT

医療福祉
福島県

はじまりの美術館 コミュニティデザイン支援

はじまりの美術館 コミュニティデザイン支援

すべての人のための美術館

「はじまりの美術館」は、2014年6月1日に福島県猪苗代町に開館した築120年の蔵を改築した、小さな美術館です。この美術館は、「すべての人は表現者である」という考え方に基づき、さまざまな展覧会やプロジェクトを行うとともに、ものづくりをするすべての人に寄り添い、応援する場所です。また、年齢、性別、障がい、地域、文化、さまざまな「ちがい」を超えて、美術鑑賞の場だけでなく、「誰もが集える場所」「新しい公共性を持つ美術館」を目指します。訪れた人が、作品を眺めること、さまざまなものづくりワークショップに参加すること、スタッフと企画から考え実現すること等、地域の課題から新たな価値を生み出すものづくりに取り組んでいます。

みんなで美術館をつくる

はじまりの美術館は、開館前から地域住民が集まり、これからの美術館の使い方、地域との関係作り等について話し合いを始めました。そのなかで「食」「魅力発信」「ものづくり」「子ども」の4つのチームが生まれ、美術館開館に向けて活動を始めました。そして、各チームが準備から実施までを行い、地域住民による地域住民の前夜祭を実施しました。前夜祭だけでなく、地域住民の方々と一緒に庭づくりワークショップをするなど地域から協力を得て、開館を迎えることができました。

愛され、使い続けられる場所に

はじまりの美術館は、知的に障がいを持つ方を支援し、創作や発表、商品化に取り組むプロジェクトを行う社会福祉法人安積愛育園が、日本財団の「New day 基金支援事業」の一環として実施する事業です。また、明治・大正・昭和・平成と時代の移り変わりを120年あまり見つめ、酒蔵・ダンスホール・縫製工場など、用途を変えながら猪苗代町の方に愛され続けてきました大きな蔵(十八間蔵)を使用しています。この蔵は東日本大震災で大きく崩れながらも持ちこたえ、無有建築工房の設計のもと、地元大工によりリノベーションし生まれ変わることができました。今では学校帰りに立ち寄れる、長靴のままでも来られる美術館となっています。
このように、地域住民に愛され、地域に根ざした美術館になるべく、はじまりの美術館は歩み始めました。

DATA

発注者

福島県麻郡猪苗代町

担当者

山崎、西上、出野、恋水