PROJECT
ソーシャルデザイン
三重県
穂積製材所プロジェクト
森林問題に取組むデザインプロジェクト
三重県伊賀市の島ヶ原地区は面積の約8割が森林で、さらにその8割が人工林です。しかし、木材需要の低迷などにより林業の担い手が減少し、管理されない人工林の荒廃が進んでいます。人工林の荒廃は土砂崩れなどの自然災害の原因となるだけでなく、生態系の破壊にもつながります。人口減少や高齢化が進み、新たな林業の担い手となる若者が少ないことも、林業を疲弊させる大きな要因となっています。
「穂積製材所プロジェクト」は、民有地である製材所の敷地を公共的な空間として展開し、都市農村交流を通じて森林問題や過疎化の課題解決につなげることを目的としています。 島ヶ原地区の豊かな自然環境や製材所としての機能を生かし、地域産材を使った家具づくり体験やスギやヒノキの人工森での環境学習、製材体験など実施することで、管理されない森林が抱える課題解決の一助となることなどを目指しています。
家具づくりイベントの準備から開催へ
プロジェクトでは、2007年8月より家具づくりのイベントの実施に向けた基盤整備を進めてきました。大学生を中心に、関西の若手建築デザイナーや地元の大工さんの恊働によって、イベント参加者が休憩するための「木製テント」や来訪者と地元住民が交流できる「広場」、そして2013年4月には家具製作の拠点となる「ものづくり工房」が完成しました。
現在これらを利用して、コーヒーテーブルや木製トレーなどの家具づくり体験やピクニックや写真を取り入れた森林体験のイベントを実施しています。今後、木工製品の開発や地域の特産品のブランディング、出張ワークショップなどを製材所関係者やデザイナー、地元住民、学生と協力して展開していく予定です。
DATA
発注者
三重県伊賀市島ヶ原穂積製材所
担当者
藤原