PROJECT
介護・福祉のこれからプロジェクト
老いと介護のイメージ向上-厚労省補助事業
介護・福祉の現場にデザインを。
少子高齢化を背景として、介護・福祉職の需要が拡大し、2025年には最大245万人程度必要と推測されています。しかし介護・福祉業界はいつも人材不足です。なぜなら「4K(きつい、汚い、危険、給料が安い)」のイメージが常につきまとうからです。介護現場で働く人に調査した結果、「世間のイメージは間違っている」と9割が回答しています。(平成26年度老人保健健康増進等事業)世間と現場のイメージが大きく乖離するのはなぜでしょうか。デザイナーが見た介護・福祉の現場は、創意工夫とユーモアの宝庫なのに、圧倒的にモノやコトのデザインが足りない。老いはすべての人に訪れます。いつか介護サービスも使うかもしれません。だからこそ介護・福祉の現場には、デザイナーがやるべきことがたくさんある。そう思い、デザインスクール等をスタートさせました。
全国で開催したデザインスクール
これからプロジェクトとは、介護・福祉の仕事のこれからについて考え、実践するプロジェクトです。プロジェクトは、デザインスクールとエキシビションイベントで構成されています。
デザインスクールの参加者は、介護・福祉業界で働いている(働いた経験のある)人たちと介護・福祉業界に興味のある一般の人が参加し、多様性のあるチームが結成されました。。スクールのカリキュラムでは介護・福祉の現場でのインターン体験から現場の持つクリエイティビティや障壁を発見し、デザインやテクノロジーの力を使って解決することを目指しました。全6回のデザインスクールでは、理想の人生について考えることからスタートし、その人生を実現するためにどんなサービス等が必要なのかを考えます。同時にそのサービス等を実現するためにどんな働き方ができるのかについても考え、未来をより良くするためのモノのデザイン、サービスなどコトのデザインに取り組みました。
おいおい老い展
3月のエキシビションイベント「おいおい老い展」では、デザインスクールの成果物を展示するだけでなく、専門家とのコラボレーションによる企画、トークセッションなども開催しました。4日間の開催で来場者数16,629名、プロのデザイナーや専門家と一緒に解決策を実践する前提で生み出したプロジェクトは67種類。現在も半数以上がプロジェクトを継続し、プロジェクトを実施するための法人が生まれたり、サービスの提供が始まっています。さらにこのスクールは、2019年に山形県版デザインスクール、2020年になんばデザインスクールを開催し、各地に実践的なスクール生を増やしています。
DATA
担当者
プロデューサー: 山崎亮、西上ありさ
ディレクター:醍醐孝典、神庭慎次、出野紀子、洪華奈、山本洋一郎、太田未来、林彩華、渡辺直樹、藤山綾子
デザイナー:平野紗矢香、内海慎一、厚毛佑太、秋本康治、渡邊彩子、中山淳雄、岩本論