PROJECT

施設・空間利用
鹿児島県

マルヤガーデンズ

コミュニティデザイン

マルヤガーデンズ

各フロアに「ガーデン」がある商業施設

鹿児島県鹿児島市にある天文館地区は昔から市の中心地で、大正から昭和にかけて20の商店街とデパート、飲食店が集積してきた地区です。しかし九州新幹線の終着駅鹿児島中央駅が、天文館地区から離れた位置に完成し、2004年頃からその周辺に大型ショッピングセンターやホテルが集積し始め、天文館地区は中心市街地としての活気が失われてきています。

そんな中、天文館地区に「マルヤガーデンズ」という商業施設が2010年春にオープンしました。地上9階地下1階の10層のフロアには、ファッション、コスメ、雑貨、書籍、食料品など約80の店舗が並んでいます。そんな店舗群に混じって、各フロアに「ガーデン」と呼ばれるオープンスペースが設置され、地域のコミュニティ(NPO法人や民間団体など)が活動できる場所を提供しています。studio-Lでは、このガーデンで活動するコミュニティづくりの支援をし、グランドオープン時には20種類の活動プログラムがガーデンで実施され、マルヤガーデンズの大きな魅力となりました。

まちにとってなくてはならないデパート

マルヤガーデンズに買い物に来た人は、地域のコミュニティの活動に参加するきっかけが生まれます。一方、活動に参加するために来場した人は買い物するきっかけが生まれます。このように各フロアに設置されたガーデンを中心に人と物、地域が一体となり相互にメリットが生まれるという関係性が成り立っています。 各ガーデンに必要なものや利用のルールなどは、オープン前からワークショップによってコミュニティ自身が決め、責任ある担い手として活動しています。

また、近隣の大学教員や行政職員、地元の商店街関係者、アートディレクターなどから構成される協議会を設けていることや、各コミュニティの調整や新規コミュニティを発掘するコーディネーターの存在、マルヤガーデンズのオリジナルのコミュニティを養成して情報発信などを担ってもらうなど、持続的な運営の仕組みづくりも大きな特徴です。 オープン後、半年でコミュニティプログラムは37種類に増加し、月に約200のプログラムでお客さんを出迎えています。マルヤガーデンズは鹿児島のコミュニティや天文館地区の人たちにとって、なくてはならない存在になろうとしています。

DATA

発注者

株式会社丸屋本社

主な協働者

その他

弊社の担当者

神庭、西上、井上